炸裂したトランプマーケティング

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前回に引き続き世界をざわつかせたトランプ大統領について論じていきたい。

トランプ劇場、開演

トランプ大統領はマーケティングの最先端を駆使して大統領になった。選挙に勝つためのマーケティング。テレビ広告はほとんど使わずに、デジタル戦略を担当するWebマーケッターを専属で雇った。

その凄腕マーケッターはデジタル戦略統括責任者として、主にSNSに特化したマーケティングを展開した。その他にも公式モバイルアプリを作成したり、トランプの関連商品を販売するWeb Storeを立ち上げたりと企業さながらのマーケティングを展開した。

さて、選挙に勝つためのマーケティングと聞いて、B層マーケティングで話題になった「あの選挙」を思い出す人も多いのではないか。

さて、今回はいまさら感満載だけど、とても利にかなった「B層マーケティング」について論じていきたい。 B層って・・・なに? 「B層...

当時は「小泉劇場」なんて言われていたけど、今回も同じような現象が起きたことは想像に難しくない。

今回のマーケティング戦略は一貫している。

「社会に不満があって今まで選挙に行ったことがない低所得者層及び社会的に地位が低い層をターゲットにする」という戦略を、インターネットという手段を用いて高レベルで実施した。

極論を言えば、政治や選挙に関心がある人の大半は、「既得権がある人、または比較的満足のいく生活をしている人」であり、明日の飯さえままならない人や、教育が行き届いてない人が、国の未来を考える余裕も意思もあるわけがない。自分のことで精一杯なのだ。そういう人たちの感情を揺さぶるのに「悪いのは社会のシステムであって、あなたではない」というメッセージは十分過ぎるインパクトを与えた。

選挙に興味がなかった人たちを、どれだけ引き込むことができるのか?

このミッションこそ、マーケティング戦略の骨子である。この戦略以外に、トランプが勝つ方法はなかったとも言える。

とはいえ、この記事は「トランプマーケティングが炸裂しましたー!すごいですねー!」という記事ではない。

実は今回の選挙、投票率が圧倒的に低かったのだ。つまり、トランプマーケティングの炸裂とは別に、対抗馬であるヒラリー・クリントン自体の不人気が重なったことが、トランプ大統領誕生という結果になったと考えている。

ヒラリーは初の女性大統領誕生というアドバンテージを活かすどころか不意にしてしまった。確かに例のメール問題の影響は大きかった。しかし、それを差し引いても彼女は大衆に嫌われていた。いつもは投票している人も「トランプは嫌いだけどヒラリーも好きじゃない」という状況になれば、投票するモチベーションが低下するのは想像に難くない。

さらに、好き嫌い以前の問題として、彼女から「新しい風」が起こるとは考えにくい。旦那が元大統領ということもあって現政治の負の象徴になってしまったように思う。

ちなみに、今回の投票率は48.62%。オバマ大統領が初当選した時の投票率が57.1%だったことを考えると圧倒的に少ない。まあ、あの時のオバマは神がかり的なオーラがあったので比較するのは酷かもしれないけど、今回は近年では最低の投票率であったことは興味深い。

  • もし、オバマVSトランプだったとしたら
  • もし、ヒラリーVSトランプが8年前だっだとしたら

いずれもトランプは敗北していただろう。「たられば話」ほど無意味なものはないけど、世界の様相が変わり始めた時代に、ヒラリーの旧態以前のやり方では、負けるべくして負けたといわざるをえない。

まとめ

トランプに雇われた凄腕マーケッターは、今回の結果を受けて「いつもと同じ仕事をしただけ」と言っている。ビジネスの世界で当たり前に行われていることを選挙に持ち込んだだけと言っている。特に小口の政治献金集めにおいて予想を上回るほどの成果があったらしい。

  • テレビの時代からWebの時代へ
  • 組織から個の時代へ
  • 感情を揺さぶるSNS

選挙もビジネスも、Webマーケティングなしでは勝てない時代に私たちは生きている。

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