値下げ競争、参戦か否か判断する方法

今回の記事は、値下げ競争に参戦すべきか撤退すべきかを決める方法について論じていきたい。ここで役に立つのは、一年振りの登場となる「ゲーム理論」だ。

40代の人生逆転はかなりハードルが高い。なぜなら強固なメンタルブロックが、年をとればとるほど形成されるからだと前回の記事で書いた。 ...

値下げか、現状維持か

直接今の仕事に関係なくても知識として知っておいて損はない。全てのビジネスは「何かを売る」ことから始まる。そして、商売において「価格」は最も重要なもの。「価格」をないがしろにしてはビジネスの成功はあり得ない。

どんな業種であれ、世のサラリーマンは「俺は関係ない」とは決して言えないのだ。

では、例題から値下げについて考えていこう。

月極駐車場の場合

あなたは空き地を10台収容できる月極駐車場にした。近隣相場は2万円。とりあえず相場に合わせて2万円にしてみた。しかし、半数の5台がどうしても埋まらない。さて、値下げするのか、現状維持か、はたまた値上げするのか。

※分かりやすくするために、ライバルの駐車場は1箇所とする。20台収容で半数の10台が埋まっていないと仮定。

※前提条件:市場調査の結果、このエリアは安い方を無条件に利用するユーザーが多いことが分かった。さらに周辺に駐車場は、あなたの駐車場とライバルの駐車場の2箇所のみで一騎打ちとなる。

さて、最初にやるべきことは予想を立てること。

「値下げした場合」「現状維持の場合」それぞれを数値化する。あなたの駐車場をA、ライバルの駐車場をBとする。このゲームのプレイヤーはAとB。双方の目的は「パイを奪う(増収増益)こと」だとする。さらに、このゲームでは前提条件に「安い方を利用するユーザーが多い」とあるので値上げはしないものとする。

前提条件を踏まえて双方の戦略と利益を下記のように予想した。

B 価格維持 B 値下げ
A 価格維持 (0 ・ 0) (-10・30)
A 値下げ  (15・-10) (0 ・ 0)

※(左がAの利益、右がBの利益)

A駐車場は、値下げすれば0か15万の増益になる。価格維持では0か-10万。つまり「値下げ」が「絶対優位の戦略」となる。

もちろん、予想値が変化すれば絶対優位が存在しない場合もある。そうなると今度は「ミニマックス戦略」を使う。

ミニマックス戦略とは

不確定な勝利を捨てて確実な勝利を狙う戦略。もし損失が出るなら、できるだけ損失を少なくする戦略

ようするに、損失を最小限にする選択をすること。

シンプルにいえば、「勝敗に関係なく自分の損失が少ない方を選ぶ戦略」となる。

まとめ

今回のように「限られた条件」のみで、勝敗が決まることは現実の世界では考えにくい。

現実はもっとオープンで、ゲームのように閉鎖されてないし、多種多様な要素が複雑に絡み合う。

そもそも「値段が安い」という要因だけで、ユーザーが移動することは意外と少ない。駐車場でいえば、「利便性の高さ」「清掃のクオリティ」「その他の戦略」などなど、むしろ値段以外の要素で売り上げは大きく変わる。

とはいえ、単純に価格で移動する層が一定数いるのもまた事実。

以上のように、マーケティング戦略を深める際、「ゲーム理論」は驚くほど役に立つ。

あらゆる交渉や男女関係、さらに牛丼の値下げ競争から冷戦まで、様々な場面で力を発揮するゲーム理論。

知識として、確実に押さえておくべき理論である。

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