パンクというロック史上最大のパラダイムシフト

さて。今回はパンクについて論じていきたい。

特にQUEENやプログレッシブ・ロックに代表される成熟した音楽業界にケンカを売ったセックス・ピストルズについて、時代背景を交えながら検証していきたい。

不良がカリスマになった夜

そもそもセックス・ピストルズというバンドは、マルコム・マクラーレンというファションデザイナーによって作られたバンドである。

マルコム・マクラーレンがイギリスでブティック経営していた際、客として出入りしていた若者に目をつけ、奇抜なファッションと反体制のアティチュードを植え付けてデビューさせた。ちなみにシド・ビシャスはオリジナルメンバーではなかった。

よく考えると、無名の不良を使って一大ムーブメントを起こしたマルコム・マクラーレンは、ファションデザイナーとしての才能はもちろん、時代をつかむ嗅覚と才能を見抜く力を併せ持った極めて優秀なマーケッターであったと改めて思う。

時代背景

当時のイギリスは不況の真っ只中。

貧富の差が激化しており、ロンドンは仕事にありつけない若者で溢れかえっていた。

失業率は10%を超えていて、多くの若者がやり場のない怒りを抱えている状況。次第に怒りの矛先は王室や政治家に向けられていく。

さらに、本来なら若者の怒りや悲しみに寄り添うはずのロックが遠い世界に行ってしまったような時代だった。

テクニカルなギタープレイがもてはやされ、ピンク・フロイドやキング・クリムゾンのようなプログレッシブ・ロックの全盛期。さらに海を超えたアメリカではエアロスミスやKISSのような華やかなハードロックが大盛況の時代。さらにボヘミアン・ラプソディで一躍スターダムにのし上がったQUEENも不況にあえぐ若者の受け皿にはなれなかった。

今回の記事はクイーンの逆転劇を紹介したいと思う。その前にクイーンのことをよく知らないあなたのために簡単に紹介しておこう。 Quee...

そんな時代の狭間に、絶妙なタイミングで生み落とされたセックス・ピストルズが、労働者階級の若者をわしづかみにするのに時間は必要なかった。

破壊だけじゃない

Sex Pistols – Anarchy In The UK

彼らが有名になった要因は、今でいう炎上マーケティングだった。

ただパンクってネガティブな要素ばかりが目につくけど、PUNKの本質は、自由を目指すための【否定⇒破壊⇒構築】である。

つまり、「ぶっ壊す」だけではなく、強制的に時代を転換させる手段なのだ。だからこそパラダイムシフトを起こすことができた。

さらにPUNKは常に先鋭的であり、独自性も求める。つまり「自分の信念を貫け!」という意味も内包している。

こういったボジティブな要素がPUNKにはある。だからこそ、誕生から40年以上たった今も人々を魅了し続けているのだろう。


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