さて、年度始めに給与が上がった人、下がった人、据え置きだった人、それぞれいると思う。
調べたところ、いわゆる昇級率は中小企業の平均で1.45%、30万の給料だと月4,350円の増加。年収換算すると52,200円アップ。
これが大企業になると、昇級率の平均は少し上がって2.59%、30万円の給料だと月 7,770円の増加。年収換算すると93,240円アップ、となる。
さて、あなたはいくら上がったのだろうか。
- 満足する結果だったあなた、おめでとう
- 据え置きだったあなた、次に期待しましょう
- 半ば諦め気味のあなた、お気持ちお察しします
- 納得いかない。なぜ、あいつより、上がってないのか?人事に確認したいというあなた、ちょっと待って・・・
社内で給料を比較しちゃダメな理由
給料がどのように決まっていくのかは会社によってそれぞれ。例えば中小企業までなら、残念ながら経営陣の好き嫌いで決まる場合が多い。

同じ年月勤めていてもサクサク出世できる人と、がんばってもなかなか出世できない人が存在する以上、給料に差がつくのは当たり前の話。
さらに同じ役職でも、配属部署、関わったプロジェクト、社内政治の得手不得手によって収入に大きな差が生まれる。
給料ってホント厄介で、どうしても同僚や部下、さらに上司や経営陣の給料と自分の給料を比較したくなる気持ちもよく分かる
しかし、社内での比較はマイナスに作用することはあってもプラスに作用することはない。
例えばあなたより劣っている同僚と比べて、あなたの方が高ければ安心する。しかし、これは自分を正当化して現状に甘んじている考えなのでポジティブ思考ではない。
逆にあなたの方が少なければ、会社への不信感が募り、モチベーションも下がる。結果的に労働意欲も下がり、少ない給料がどんどん下がる。
いずれにしても良いことなんて何もない。
フィードバックは無意味
実は私、部下の評価とフィードバックを担当している。
年に数回、評価資料を用いて面談も行い、総合的に評価していく。実際の面談は10名から20名くらい。さらに書面での評価も入れると都合40名くらいになる。
とはいえ、実際に給料を決めているわけではなく、あくまでも一時評価。その後、何層かのフィルターにかけられて給料が決まる仕組み。
で、最近増えているのが「しっかりしたフィードバックがない!」「フィードバックはあるけど納得できない!」といった、いわゆる「明確な基準を設けたフィードバック」を求める声。
実際私もフィードバックするとき、その手の話をされることが多い。
中には「これをやれば上がる」とか、そういう項目を開示して説明してほしい、という声もある。
しかし、フィードバックする側の本音を言わせてもらえばそれはシンドイ。なぜなら、あなたの給料は項目チェックで計算できるほど簡単な構造ではないから。
例えば、会社全体の従業員に対する賃金の原資は決まっていて、さらに会社全体の売上が昨年より下がっていたとしよう。
そうなると、どんなにあなたが個人で頑張っても、給料を上げるには限界がある。もちろん出来高制だったり、インセンティブ制度があるなら問題ない。だけど、その制度も結局は予算の範疇を超えることはない。
つまり、フィードバックする内容は、人事が用意した台本があって、それに沿った「給料を上げれない会社の言い訳」を聞かされているに過ぎないのだ。
このような現状の中で「これをやったら給料が上がるというリスト」を明確にしてしまうと、会社側も上がらない言い訳を毎回考えなければならないし、社員もリストの項目が全部できても、なんだかんだ理由つけられて結局給料は上がりません、ということなら不信感しか残らない。
さらに「◯◯さんの給料より安い理由を説明してほしい」とか言われると、もう目も当てられない。
そう、他人と比べること自体もはや意味がない。ていうか、マイナスはあってもプラスはない。
隣の芝が気になる気持ちはよく分かる。そして、時に落胆したり、特に喜んだり、やる気を失くしたり。
でも会社なんて所詮はどっかのおっさんが造った自己実現のための集合体に過ぎない。 そんなものに公平性やあなたの正義を求めるのはある意味ナンセンスな話。
もはや、それが良いか悪いかの問題ではない。社内格差はもう気にしないで生きよう。
まとめ
社内では給料を相対的に考えない方がいい。
つまり「あの人が40万くらいなら、オレは50万もらってないとおかしいだろ」という発想はご法度。
どうせ比較するなら、社外に目を向けて、年代、異業種、さらに自分の理想などと比較するべき。そうすることで今あなたが本当にやるべきことが見えてくる。
よく考えてほしい。
あなたがやりたいことは、他人のあら探しでも、自分を正当化することでもないはず。
無意味なことに限りある時間と労力を費やすほど私たちに余裕はないはずだ。
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