以前ホテルで働いてた時に、お世話になった支配人が口癖のように言っていた言葉を、なぜか最近思い出した。
「サラリーマンの最大の欠点は経営者視点が欠如してること。もし従業員全員が経営者視点を持てばこのホテルは日本一のホテルになる」
「このホテルが日本一になる難しさと、全従業員が経営者視点を持つ難しさは一緒。それくらい経営者視点を持つことは難しいことだ」
「劣勢をひっくり返す唯一の方法は経営者視点を持つこと」
by お世話になった支配人
今なら理解できるけど、当時20代の「無能+思考停止」の下等生物だった私には到底理解できなかったし、興味もなかった。
こんな東京の片隅で、しかも客室数も少ないホテルが日本一って、
「どんだけオメデタイおっさんだよ!」
本気でそう思っていた。
サボっても真面目にやっても給料は変わんねぇし、経営者視点を持てとか言って「所詮、経営陣の都合がいい戯言じゃねぇか!」そう思っていた。
しかし、あれから15年以上たった今、支配人の言う通りだとつくづく思う。社員全員が本当に経営者視点を持っていれば、あながち日本一も夢物語ではないだろう。社員全員が経営者視点を持つ事はそれだけ難しくて、それだけスゴイ事だと、今なら素直に思える。
で、今回はそもそも経営って何?経営者視点ってどゆこと?を考察してみる。
経営とは
経営の本質が分からなければ経営者視点など分かるはずがない。
経営に必要なものは何なのか?ここから始めたい。
結論から言うと「お金」と「能力」
どちらが欠けても経営は成立しない。どんなに能力があってもお金がなければ何もできない。逆にお金がいっぱいあっても経営者が無能なら、あっという間に経営破綻だ。
内部留保(ひらたく言うと会社が貯めたお金)を増やして再投資、内部留保を増やして再投資、ざっくり言うとこの繰り返しが経営の本質である。
稼いだら再投資、さらに大きく稼げるように再投資、こうやって「売上・粗利」を作っていく。よって「分析力・決断力・マネジメント能力」など、経営者には総合的な能力が必要不可欠である。まったく的外れな再投資を繰り返せば、当然行き着く先は破綻。先を見据えて中長期的な戦略を立てないと経営とは言えないのだ。
しかし、優れた戦略家が優れた経営者になるとは限らない。情熱とかカリスマ性とか誰も思いもつかない発想とか、数字では計り知れない部分が実は重要だったりする。
以上の理由から経営者視点を持つには、下記の3つの要素をレベルアップする必要がある。
①自分の判断で動かせるお金を増やす
②能力を最大限高める
③人を惹きつける魅力を磨く
この3つをレベルアップすれば、経営者マインドに近づいていくはずだ。
次に、経営者視点ってどゆこと?の回答だが、実にシンプル。
経営者視点とは
「逃げない」「全責任を負う覚悟を持つ」「社内・業界を俯瞰する」「当事者意識を持つ」
ざっくりまとめると、この4つだけ。
で、無能な私たちも、人生逆転の肝となる経営者視点はぜひ押さえておきたい。
まずは自分で決裁できる金額を上げるために、課長以上の役職を目指す。さらに、能力を上げるために知識と経験を積む。
能力を高めるには、
- 失敗も含めた経験値を重ねること
- 的を得た勉強をすること
- 客観的な自己分析ができること
以上の3つを根気よく続ければ、知らず知らずに総合力が付いてくる。
たくさん学んで、たくさん悩んで、たくさん失敗して、傾向を把握して対策を立てて再挑戦。
ようするに仕事って「仮説」「実験」「検証」の繰り返しだから、これで完璧ということはなくて、常に勉強しなくちゃダメなのだ。
あと忘れちゃいけないのが対人関係の強化。ぜひ人間力を高めて魅力的な人になってほしい。出世して偉くなっても、部下に馬鹿にされたり嫌われたら全く意味がない。
社会に出て気付いたけど、そういう人ってけっこう多い。

人の力を借りて、人の力を利用して出世することは決して悪いことではない。むしろ、無能な私たちには必須スキルである。
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