サラリーマン諸君に問う。君は決算書を読めるのか?
以前、人生逆転したいダメ社員のリーサル・ウェポンは「逃げないこと」という記事を書いた。

そして今回、もう一つのリーサル・ウェポンを紹介したい。
それは決算書を読みこなすこと。
決算書が読めれば未来は変わる
決算書とは、分かりやすく言えば会社の通信簿。上場している企業なら誰でもホームページから閲覧できる。
勤務先はもちろん、同業他社や取引先の通信簿を理解することができれば、自分がやるべきことも自ずと分かってくる。
株式投資をやってるなら、会社四季報や証券会社のマイページ等で、さらに突っ込んだ分析をしている人もいるだろう。
では、なぜサラリーマンが決算書を読めるようにしておくべきなのか、そしてなぜ結果的に人生逆転に繋がるのか、その3つの理由を説明していこう。
サラリーマン・会社員が決算書を学ぶべき3つの理由
1.経営層が見ている景色を見よう
成りたい人を見るのではなく、成りたい人が見ている景色を見る。
おかげさまで最近私も偉くなって経営会議に参加することが増えた。そこではけっこう生々しいバトルや心理戦があって、さすがにある程度の能力と知識がないとついていけない。そんなカオスに揉まれているうちに、あることに気付いた。
それは「実権を握っているのは、銀行出身の財務畑の経営層」ということ。
事業部門出身の経営層が、心なしか劣勢に見える。
私もガチガチの事業部門の人間なので、比例して肩身が狭い。
とはいえ、銀行から引き抜かれた財務畑の経営層が優位な理由は単純明快で、経営会議の内容が「経営分析が主テーマ」だからに他ならない。
さらにファンドからお偉いさんが送り込まれている場合は完全にオワコンで、数字が全ての世界になって淡々と合理的に判断されていく。
偉くなると、そんな人たちとやり合わないといけない。
だからこそ、決算書を読み解く力が必要なのだ。
「経営層の言語は、下っ端の言語とは違う」
そして、
「経営層が見ている景色は、下っ端が見ている景色とは違う」
これは悔しいけど真実。
ゆえに財務業務の集大成である決算書は理解しておくべきだし、それが出世の条件になり得るというわけ。
ざっくり分かるファイナンス~経営センスを磨くための財務~ (光文社新書)
2.決算書の思考プロセスは汎用性が高い
決算書とは、主に財務3表のことを言う。貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書が、会社の状態を多角的に判断する。
- 貸借対照表は、財務状況(懐具合)
- 損益計算書は、経営状況(儲け具合)
- キャッシュフロー計算書は、現金の流れ(安全性)
この「多角的に判断すること」が、すごく重要で汎用性が高い。
例えば、店舗・家庭・各種コミニティーなどの「お金が出入りする組織」の実態を知りたいなら、決算書の考え方は必ず役に立つ。
決算書は、組織が今どういう状況(貸借対照表)で、どうやって利益を出して(損益計算書)、現金の流れ(キャッシュ・フロー計算書)はこうです!っていうのを、数字を使って分かりやすく教えてくれる。
ちなみに、3つのうち、1つでも問題があればその会社は危険信号と思って間違いない。
3.リストラ・倒産を回避せよ
サラリーマンとして、自分の勤務先の状況を知っておく必要がある。さらに取引先がどういう状況かも。
もし、取引先が倒産した場合、あなたの勤務先も少なからず影響を受ける。最悪の場合、連鎖倒産だってあり得る。
もはや普通に仕事をしているだけでは自分の身を守れない。自分で危険を察知して次の一手を考えないとあっという間に人生転落である。
残念ながらヤバイ状況の会社は「ねぇねぇ、うち、そろそろヤバイよ」って、こっそり耳打ちしてくれるわけではない。
気付いたらあとの祭り・・・なんてことが案外多いのだ。
特に給料の支払いが遅れたら、もう末期・・・
そうなる前に、転職するなり早期退職優遇制度を使うなりして、不利益を最小限に抑えて最善の選択をしてほしい。最悪の状況に陥らないように決算書は日頃から意識しておこう。
少なくとも勤務先と取引先の決算書はチェックしておくべき。さらに同業他社との比較も重要。
決算書を読み解くポイントは必ず決算日を確認すること。
同業他社と比較する時も、必ず同じ決算日のものと比較しよう。さらに、自社の「過去」の決算書と「今」の決算書を比較することで、より真実が浮き彫りなる。
まとめ
今回は決算書の具体的な読み方までは説明しないけど、すべてを理解する必要はないので安心してほしい。私たちサラリーマンは必要なポイントだけ分かればいい。
決算書を作るのは大変だけど、決算書を読み解くだけなら本を数冊読めば誰でもできる。
決算書を読み解けば、今まで見えなかった景色が見えてくる。
最後に私が読んだ決算書関連の中で一番分かりやすかったおすすめの本を紹介して終わりにしたいと思う。
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